【2025年度版】総合型選抜がある大学一覧 – 国公私立別の特徴と選び方
1. 総合型選抜入試とは
高校生の多様な能力や個性を評価する入試制度です。一般入試とは異なり、定められた試験科目の点数だけでなく、志願者の意欲や適性を総合的に評価します。出願から合格までのプロセスも独自の特徴があります。
①出願条件
総合型選抜の出願条件は大学によって様々です。多くの場合、高等学校卒業見込み(または既卒)であることが基本条件となります。評定平均値の基準を設ける大学も多く、特に国公立大学では3.5以上などの条件が一般的です。また、部活動やボランティア活動、資格取得などの実績を求める大学もあります。専願制を採用している大学が多いため、志望校選びは慎重に行う必要があります。
②入試日程
総合型選抜は一般的に9月から始まります。多くの大学では、出願期間が9月上旬から10月上旬、一次選考の合格発表が10月中旬、二次選考が10月下旬から11月上旬、最終合格発表が11月中旬という流れになっています。国公立大学の場合は、大学入学共通テスト後の二次選考を実施するケースもあります。早期に進路が決まる反面、準備期間が必要なため、計画的な受験準備が重要です。
③倍率
総合型選抜の倍率は大学・学部によって大きく異なります。一般入試と比較すると、多くの場合で倍率が低くなる傾向にあります。特に私立大学では2〜3倍程度、国公立大学でも一般入試の半分程度の倍率となることが多いです。ただし、人気大学の人気学部では10倍を超えるケースもあります。また、出願時の書類選考で不合格となるケースも多いため、実質倍率は公表される数字より高くなることがあります。
④試験内容
試験内容は大学ごとに異なりますが、一般的な選考方法として、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、課題レポート、実技試験などがあります。多くの大学が複数の選考方法を組み合わせて実施します。書類審査では、調査書、志望理由書、活動報告書などが評価対象となります。面接では、志望動機や将来の目標、学問への興味関心などについて質問されます。国公立大学では大学入学共通テストの成績を課す場合もあります。
⑤アドミッションポリシー
アドミッションポリシーとは、各大学が求める学生像や入学者受入方針のことです。総合型選抜では特に重要視され、出願前に必ず確認する必要があります。具体的には、学問への強い関心、特定分野での優れた実績、課題解決能力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどが挙げられます。志望理由書や面接では、このアドミッションポリシーに沿った自己アピールが求められます。また、学部や学科によっても異なるため、詳細な確認が必要です。
2. 総合型選抜の特徴を設置者別で理解する
国立大学の総合型選抜
国立大学の総合型選抜は、高い学力水準と明確な学習目的が求められます。多くの大学で大学入学共通テストが必須となっており、一定以上の得点が求められます。選考方法は、書類審査、面接、小論文が基本で、学部によっては実技や課題研究の発表なども課されます。出願条件として評定平均値3.5以上を設定している大学が多く、専願制を採用しているケースがほとんどです。東京大学や京都大学など一部の大学では、特色入試という名称で実施しています。
公立大学の総合型選抜
公立大学の総合型選抜は、地域性を重視する特徴があります。地元出身者を優遇する制度を設けている大学も多く見られます。選考方法は国立大学に近く、大学入学共通テストを課す大学が増加傾向にあります。面接では地域貢献への意欲を問われることが多く、地域の課題解決に関する小論文テーマも出題されます。東京都立大学や大阪公立大学などの大規模校では、専門分野への強い関心と基礎学力の両方が求められます。
私立大学の総合型選抜
私立大学の総合型選抜は、各大学の建学の精神や教育方針を重視します。大学入学共通テストを課さないケースが多く、面接や小論文、プレゼンテーションなどで評価します。出願条件も比較的緩やかで、評定平均値の基準を設けていない大学も多くあります。早稲田大学や慶應義塾大学などの難関私立大学では、課題研究や英語能力を重視する傾向にあります。併願可能な総合型選抜も増えており、受験機会の選択肢が広がっています。
医学部の総合型選抜
医学部の総合型選抜は、極めて高い基礎学力と医療への強い志望動機が求められます。国公立大学医学部では大学入学共通テストの得点率が85%以上必要なケースも珍しくありません。私立大学医学部でも独自の学力試験を課すことが一般的です。面接では医師としての適性や倫理観が重視され、医療現場での体験活動やボランティア経験が評価されます。募集人員は各大学とも若干名で、倍率も一般入試と同程度か、それ以上になることもあります。
3. 出願から合格までのプロセス
年間スケジュール
総合型選抜の準備は高校2年生から始めるのが理想的です。1年以上の活動実績が求められることが多いためです。具体的なスケジュールは以下の通りです。高校2年生の春から課外活動や資格取得に取り組み、夏から志望理由書の作成を開始します。高校3年生の4月からは小論文や面接の対策を本格化させ、6月にはオープンキャンパスに参加して情報収集を行います。8月には出願書類を完成させ、9月の出願に備えます。大学入学共通テストが必要な場合は、並行して受験勉強も進める必要があります。
出願書類の準備
出願書類は総合型選抜の重要な評価対象となります。一般的に必要な書類は、志望理由書、活動報告書、調査書、推薦書(任意)などです。志望理由書では、志望動機、学びたい内容、将来の目標を具体的に記述します。活動報告書には、部活動やボランティア活動、資格取得などの実績を時系列で記載します。これらの書類は単なる事実の羅列ではなく、自身の成長過程や学びの深さを伝えることが重要です。提出前に教員や家族に目を通してもらい、客観的な意見をもらうことをおすすめします。
選考方法の種類と対策
選考方法は大学によって様々ですが、主な形式として、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、実技試験があります。多くの大学が複数の選考を組み合わせて実施します。面接では、志望理由や学問への関心、将来の展望などについて質問されます。小論文は、時事問題や専門分野に関連したテーマが出題されることが多く、論理的思考力と表現力が問われます。プレゼンテーションでは、自身の研究や活動について、制限時間内で効果的に発表する必要があります。実技試験は、芸術系や体育系の学部で実施されることが多いです。
合格発表後の流れ
総合型選抜での合格後は、入学までの期間が長いため、計画的な学習継続が求められます。多くの大学が入学前教育を実施しており、課題レポートの提出や講座への参加が必要です。特に、国公立大学では大学入学共通テストで一定以上の得点を取ることが入学の条件となっているケースがあります。また、専願制の場合は入学を辞退することができないため、入学金や学費の支払いスケジュールを確認し、計画的な準備が必要です。合格後も高校での学習を継続し、入学後の学びにスムーズに移行できるよう準備することが重要です。
4. 選考方法別の対策ガイド
面接試験対策
面接試験では、志望動機の明確さと学問への熱意が重視されます。準備として、志望学部の特徴、カリキュラム、研究内容を詳しく調べることが必要です。また、自己PRでは具体的なエピソードを交えながら、自身の成長過程や将来展望を説得力のある形で伝えることが重要です。面接官からの質問に対しては、簡潔で的確な回答を心がけ、質問の意図を理解して答えることが求められます。練習では、想定質問に対する回答を準備し、声の大きさや姿勢にも注意を払いましょう。
小論文試験対策
小論文試験では、論理的思考力と文章表現力が評価されます。試験対策として、時事問題や専門分野の基礎知識を身につけることが重要です。新聞やニュースを定期的にチェックし、社会問題に対する自分の考えをまとめる習慣をつけましょう。また、序論・本論・結論の基本構成を意識した文章の書き方を練習し、制限時間内に800字から1200字程度の文章を書けるようにすることが必要です。参考文献を読んで様々な視点からの論点整理を行い、自分の意見を論理的に展開する力を養うことも大切です。
プレゼンテーション対策
プレゼンテーション試験では、内容の充実度と伝える技術の両方が問われます。テーマ選びは自分の強みを活かせる内容を選び、具体的なデータや事例を用いて説得力のある発表を心がけます。発表時間は通常5〜10分程度で、スライドやポスターを使用する場合もあります。準備段階では、発表原稿の作成、視覚資料の準備、時間配分の確認を丁寧に行います。練習では、声の抑揚や間の取り方にも注意を払い、聴衆を意識した話し方を身につけることが重要です。
課題研究対策
課題研究では、研究テーマの選定から結論の導出まで、一貫した研究プロセスが求められます。高校での総合的な探究の時間や部活動での研究活動を活用することができます。研究テーマは、学部の専門性に関連し、かつ自分の興味関心が強い分野から選びます。研究計画を立て、データ収集や実験を行い、結果を分析して考察をまとめます。発表では、研究の独自性や社会的意義を明確に示し、質疑応答にも適切に対応できるよう準備することが大切です。
5. 志望理由書・活動報告書の書き方
アドミッション・ポリシーの理解と活用
アドミッション・ポリシーは志望理由書作成の重要な指針となります。大学が求める学生像を理解し、自分の経験や目標がそれにどう合致するかを具体的に示すことが重要です。例えば、「問題解決能力を持つ人材」を求めている場合、自身が取り組んだ課題解決の経験を詳しく記述します。また、学部や学科特有の方針も確認し、専門分野への関心や適性を具体的なエピソードを交えて説明することで、より説得力のある志望理由書となります。
志望理由書の構成と事例
志望理由書は、「動機」「学びたいこと」「将来展望」の3つの要素を含めて構成します。志望動機では、なぜその学部・学科を選んだのかを、具体的な経験や出来事と結びつけて説明します。学びたいことでは、大学のカリキュラムや研究内容を踏まえ、特に注目している分野や科目について、自身の興味関心と結びつけて記述します。将来展望では、大学での学びをどのように活かしていきたいのか、社会貢献の視点も含めて具体的に示します。
活動報告書での実績アピール方法
活動報告書は、高校生活で取り組んだ活動の成果を効果的にアピールする重要な書類です。部活動、生徒会活動、ボランティア活動、資格取得などの実績を、単なる事実の羅列ではなく、その活動から得た学びや成長を具体的に記述します。特に、リーダーシップを発揮した経験や、困難を乗り越えた体験は、詳しく説明することで自己アピールにつながります。活動の期間や役職なども明確に記載し、客観的な評価を得やすくします。
よくある記述の失敗例と改善方法
志望理由書や活動報告書でよく見られる失敗として、抽象的な表現が多い、活動の羅列に終始する、大学の特徴を踏まえていないなどがあります。改善のポイントは、具体的なエピソードを交えること、活動を通じて得た気づきや成長を明確に示すこと、大学の特徴やアドミッション・ポリシーと自身の経験を結びつけることです。また、誤字脱字や文字数オーバーにも注意が必要です。
6. 受験戦略の立て方
併願可能な入試制度の組み合わせ
総合型選抜と他の入試制度を効果的に組み合わせることで、合格の可能性を高めることができます。私立大学では、総合型選抜と学校推薦型選抜、一般選抜を併願できるケースが増えています。ただし、国公立大学の総合型選抜は専願制が多いため、慎重な検討が必要です。出願時期や試験日程が重ならないよう、年間スケジュールを立てて計画的に準備を進めることが重要です。
評定平均値の活用方法
評定平均値は総合型選抜において重要な指標の一つです。多くの大学が出願条件として評定平均値の基準を設けており、特に国公立大学では3.5以上を求めることが一般的です。自身の評定平均値に応じて志望校を選ぶ際は、過去の合格者データも参考にします。評定平均値が基準に満たない場合でも、部活動や資格など他の実績で補える大学もあるため、総合的に判断することが重要です。
共通テストが必要なケースの対策
国公立大学を中心に、総合型選抜でも大学入学共通テストを課す大学が増えています。出願は9月頃ですが、共通テストは1月に実施されるため、長期的な学習計画が必要です。求められる得点率は大学によって異なりますが、概ね7割以上を目標とします。一般選抜ほどの高得点は求められないケースが多いものの、基礎的な学力の証明として重要視されます。
専願・併願の選択基準
総合型選抜で専願か併願かを選択する際は、以下の点を考慮します。専願制は合格の可能性が高まる反面、他大学を受験できなくなるリスクがあります。併願可能な場合は、受験機会を増やせますが、各大学の出願時期や試験日程が重複しないよう注意が必要です。選択の基準として、第一志望度、学費、通学距離、家族の意向なども含めて総合的に判断することが大切です。
7. 受験生タイプ別おすすめの総合型選抜
部活動に打ち込んだ人向け
部活動での実績を評価する総合型選抜は多く存在します。特に体育会系の部活動経験者は、体育学部や健康科学部などで評価されやすいです。また、文化部での活動も、その分野に関連する学部では高く評価されます。重要なのは、単なる実績だけでなく、部活動を通じて得た学びや成長を具体的にアピールすることです。リーダーシップ経験や大会での成果は、積極性や課題解決能力の証明として活用できます。
資格・検定を持っている人向け
資格や検定は、学習意欲と専門性を証明する重要な要素です。英語資格(TOEIC、英検など)は、文学部や国際関係学部で評価されます。また、簿記検定は経済・経営学部、情報処理検定は情報系学部での評価につながります。ただし、資格取得だけでなく、その過程での学びや、資格を活かした活動についても言及することが重要です。取得時期や級数についても、出願時に確認が必要です。
研究や課題研究に熱心な人向け
探究活動や課題研究に取り組んだ経験は、理系学部を中心に高く評価されます。特に、科学研究やコンテストでの受賞歴がある場合は、理工学部や農学部などで強みとなります。研究テーマの設定理由、研究過程での工夫、得られた成果について具体的に説明できることが重要です。また、文系学部でも、社会問題の研究やフィールドワークの経験は評価対象となります。
評定平均値が高い人向け
評定平均値が高い生徒向けの総合型選抜では、学力の三要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・協働性)をバランスよく評価されます。特に医学部や薬学部など、専門性の高い学部では、高い評定平均値が求められています。ただし、評定平均値だけでなく、授業での積極的な取り組みや、学習過程での創意工夫についても言及することで、より説得力のあるアピールとなります。
8. よくある質問と回答
出願資格に関する質問
総合型選抜の出願資格について多い質問をまとめました:
- 既卒生でも受験できますか? → 大学によって異なりますが、多くの場合可能です
- 浪人生は受験できますか? → 可能な大学が多いですが、専願制が条件のケースもあります
- 評定平均値の基準はありますか? → 大学によって異なり、明確な基準がない場合もあります
- 高卒認定試験は受験できますか? → 可能な大学が多いですが、事前確認が必要です
試験内容に関する質問
総合型選抜の試験内容について、受験生からよく寄せられる質問を解説します:
- 面接は個人面接ですか集団面接ですか? → 大学により異なり、両方実施するケースもあります
- 小論文の字数制限は? → 多くは800~1200字程度ですが、大学によって異なります
- プレゼンテーションの時間は? → 一般的に5~10分程度で、質疑応答が追加されます
- オンライン面接の実施は? → コロナ禍以降、オンライン選考を導入する大学が増えています
- 共通テストは必須ですか? → 国公立大学では必須のケースが多く、私立大学では任意が多いです
合格後の手続きに関する質問
合格後の手続きについて、特に注意が必要な点を説明します:
- 入学金はいつまでに支払う必要がありますか? → 合格通知から2週間程度が多いです
- 専願の場合、必ず入学する必要がありますか? → はい、入学辞退はできません
- 入学前教育は必須ですか? → 多くの大学で必須であり、課題の提出が求められます
- 共通テストで基準点を下回った場合は? → 入学が取り消されるケースがあります
- 高校の成績が下がった場合は? → 著しい低下の場合、合格が取り消されることがあります
不合格後の対応に関する質問
不合格となった場合の対応について、主な質問と回答をまとめました:
- 同じ大学の学校推薦型選抜は受験できますか? → 大学によって可能な場合があります
- 一般選抜は受験できますか? → ほとんどの場合、受験可能です
- 不合格理由は開示されますか? → 開示制度がある大学は限られています
- 次年度の総合型選抜に再チャレンジできますか? → 多くの大学で可能です
- 他大学の総合型選抜との併願は? → 専願制でなければ可能です
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